本を読んでいます(羊と鋼の森のネタバレがあります)

本を読んでいると時が氷のように溶けてなくなるかのように過ぎ去り、しかし本の中では更に飛ぶように進んでいくなあと思います。明らかに小説を読んだ影響が出ている。かっこいいことを言ってみたいのです(かっこいいことを言ってやろうというような内容の物語ではないですが)。

羊と鋼の森を更に100P読みました。おそらく明日には読み終わることでしょう。

自分が読んできた中だと、いわゆる日常系と言われるような漫画だったり、あるいはお仕事系というか、そういう方向を思い出すお話です。
読み進めていくうちに人物像に薄っすらと側面が出てくるというか、主人公の外村くんがその人本人にふれるときの印象と違ったものが、交流を広げる・深めることによって見える、理解できていく部分がなんというか爽快です。人間関係におけるキュビズムを感じる。
外村くんはピアノと音以外には閉じてるように見えて理解に余念がないな……あるいは、外村くんが周囲を取り巻く人間に恵まれているのかもしれないとも少しだけ。
恋愛脳なので、いつ恋愛に傾くことがあるのだろうか、といった部分を意識して読んでしまうきらいがあるのですが、現状外村くんが強く恋(比喩表現です)しているのは和音さんと板鳥さんのように思えます。けれど本人の性格というよりは、音に惚れているように思えるので、人間として付き合おうとかは考えてないだろうな。
今回読んだ100Pでは、どちらかというと由仁さんの方に人間的に惹かれているような感じがある。気のせいかも。外村くんの世界の中で詳細に描写されている人については、誰も彼もに好意的に見えるというのもある。知らないということが興味がない、ということは知っていく・理解していくということは興味あるってことだもんね。

自分は誰が好きかというと、秋野さんが好き。やっぱり最初にどことなくひんやりピリッとした人間が好きなんだろうか。作中の”味”の表現にも何となく通じるな……
他で言うと、自宅のピアノの調律を頼んでくれた20代青年も好き。子犬のワルツが好き曲というのもあるでしょう。
でも彼らを「あ~ 好きですね~」と感じるのはおそらく外村くんの視界を借りている影響も大いにある。外村くんが彼らを理解し、解説してくれるので、彼らを好きになるという感じ。なので私は外村くんの視界が好きなのかもしれない。

ゲームや漫画を体験しているときとは異なる「ああこの主人公のこと好きかも」を、今これを書きながら自覚しています。自分が本を読んでいると主人公は透明になりがちで、もちろん好きか嫌いかで言ったら好きだがことさらに言及するかというとしないがち。もう少しやってもいいのかも。

習慣化したいという願望が今だけ、ここにあります。

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